電話をかけようと私は自分の携帯をリュックから出した


♪♪♪…♪♪♪…


私達の緊張を引き裂くように、帆乃花の携帯が鳴る


｢茉莉だ！｣


携帯電話を持ったままの帆乃花は安心したような声で通話ボタンを押した


｢帆乃花、待って！｣


あの状態の茉莉が電話をかけられるハズがない


私は嫌な予感がした


携帯を耳に当てた帆乃花から、急いで携帯電話を取り上げる


ツーツーツーツー…


切れた？


私は帆乃花を見たが、明らかに様子がオカシイ


｢帆乃花？｣


私は帆乃花の肩を軽く叩いた


｢隠れなきゃ…来る…｣


帆乃花はそう口ずさむと階段を上がっていった