夜、ようやく仕事を片付けて廊下を歩いて行くと、暗やみの中ぼんやり光りが見えた。 …………………? 携帯の光か? 「……おい、こんな時間にどうした。」 影が動いたかと思うと、携帯の光が持ち主の顔を照らした。 「山崎!?」 『秋元さん! 仕事終わった?』 山崎は駆け寄ってようやく表情が分かった。 「お前こんな夜にこんなとこで一人何してんだ!!」 自分で思ってるより大きな声で俺は怒鳴った。 ビクッと山崎が震えたのが分かった。 『…ごめんなさ……。 秋元さんを待ってて…』