それを見ると、山崎が飲んでいるのと同じコーヒーだった。 「…あぁ、ありがとう」 『あ、コーヒー嫌いでしたか?』 「や、嫌いじゃねぇよ」 そう答えると、返事変わりに山崎は俺を見上げて少し口角を上げた。 「………家、何処だ」 『あ、××です。』 「車あっちだから来い。」 スタスタと無言で歩く。 「おい」 『なんですか?』 「…なんか話せ」 ちらっと山崎を見ると、軽く眉間にシワを寄せて俺を見た。 『何をですか』