正反対恋愛【完結】

「だって佐奈の場合、俺に渡そうとして作ったチョコじゃないだろ?だからだよ」


「そっか。そうだよね……」


でもそんな淡い期待もすぐに消えていく。


自分で勝手に期待していただけなのに、銀の口からそれを知らされるとやっぱり少しだけショックだった。


「つーか、翔太とはどうなの?」


「……銀は何で翔太君の話ばっかりするの?」


「だって佐奈は翔太が………」


銀がそう言い掛けた瞬間、生い茂っている木の陰から一人の男の子が顔を覗かせた。