「銀が佐奈と適当な気持ちで付き合ってんなら、俺がもらおうと思ってたけどそうじゃないみたいだし潔く身を引くわ」


「先輩……」


「もしまた何かあったら、すぐ銀に言うんだぞ?もう喧嘩すんなよ」


先輩は「喧嘩したのは俺のせいでもあるか?」そう言ってパーマのかかった茶色い髪を指先でいじった。




「俺が言いたかった事はそれだけ。でも、もし銀に飽きたら俺にしなよ?」



先輩はクスッと笑うとクルりとあたしに背中を向け、右手をひらひらと振り歩き出した。