「……お母さん、あたしちょっと出掛けてくる」


「え?今から?もう遅いし明日にしなさい」


「今日じゃなきゃダメなの。しーちゃんがそう言ってる気がするから!」


「ちょっと……佐奈!待ちなさい!!」


あたしは母の制止を無視してリビングを飛び出すと玄関の扉に手を掛けた。