正反対恋愛【完結】

「あの……プリントを」


でも手を差し出してプリントを催促するあたしを見つめたまま先輩は動こうとしない。


「プリント……」


聞こえなかったのかと思いもう一度そう言うと、先輩はフッと僅かばかりの笑みを浮かべた。


「あんた、何て言うの?」


「……え?」


「だから名前」


「鈴木佐奈です……」


「佐奈か」


名前を名乗ると、先輩はすぐにあたしにプリントを手渡した。