ビックリしながら振り返ると、そこには見たことのある男が立っていた。 茶色い髪に緩めのパーマをかけた男。 確か三年の一条先輩。 周りの女子が『一条先輩カッコいい!!』って騒いでいた気がする。 「……プリント探してるんです」 「あ~プリントね。これ?」 「あ、それです!」 この人が持ってたんだ。 早く受け取って教室に戻ろう。 あたしはニコッと笑顔を浮かべて右手を差し出した。