「佐奈!大丈夫だった?!」


「うん。大した怪我でもないしテーピングしてもらったらだいぶよくなったよ。心配掛けてごめんね?」


校庭に戻ると、真理子があたしに気付き駆け寄ってきた。


でも真理子はあたしの顔を見るなり心配そうな表情を浮かべる。


「それならいいけど……ねぇ佐奈、何かあった?」


「……え?何で?」


「目…腫れて真っ赤だし、化粧も……」


どんなに顔を洗っても目の腫れだけは隠しようがない。