「大丈夫だって。遅くても転ばなければOKでしょ?」 「……そうだよね」 ポジティブな真理子の言葉に少しだけ救われた。 でも、転んだら銀が助けに……っていうのは真理子には言わないでおこう。 遅くてもゴールすることに意味があるんだもんね。 「よし、頑張ろう!」 自分自身に気合を入れた瞬間、真理子が不思議そうにあたしのおでこを指差した。 「ねぇ、佐奈ハチマキは?」 「え?……あぁ!!教室に置いてきちゃった!」