正反対恋愛【完結】

「ただ……っていうか、理由はないんだ」


「ハァ?何だそれ?」


テーブルに頬杖をつきながらあたしの話に耳を傾けていた銀はクスッと笑った。


鋭い目を細めて笑う銀に心臓がジャンプする。


銀のそんな笑顔を見るのも久しぶりで。


だからかな?


あたしの中で銀の免疫が切れてしまったようで。


自分の顔が急に熱を帯びて、鏡を見なくても真っ赤になっているのが手に取るように分かる。


「どうした急に?変な佐奈」


「何でもない!」


あたしは赤くなった顔を悟られないように、目の前にあるポテトを間を開けず口に運び続けた。