「そっか。よかったじゃん!でも、銀くんは今頃先生に怒られてると思うけど」


「え……?」


真理子の言葉に驚き、銀がいる3階校舎の窓を見上げても銀の姿はもう見当たらない。


「何で銀が怒られるの……?」


「怒られるに決まってるでしょ?授業中に、外に向かってあんだけ激しく手振ったりしてたら」


「あ、そっか」


妙に納得したあたしは苦笑いを浮かべた。


銀……ありがとう。


銀のお陰で走り切ることが出来たよ。


本当にありがとう。



もう一度さっきまで銀のいた窓を見上げていると自分の気持ちが少しだけ。


ほんの少しだけ変化した気がした。