「つーか佐奈、ホント突っ走り過ぎだから。一人だったら迷子になってるぞ?」


「……ごめん」


公園の入り口付近にあった自販機で二人分のジュースを買って戻ってきた銀に少し呆れられたあたしは、静かに謝った。


「前も言ったけど佐奈と一緒にいるとこ他のやつに見られても嫌じゃないから」


「うん……」


「だから、人の目なんて気にすんな」


「うん。分かった……」


「分かればよろしい」


きっと銀はあたしが落ち込んでいることに気付いたんだろう。


「これ、佐奈の分」


俯くあたしの顔をそっと覗き込むと、銀はふっと僅かに微笑みを浮かべあたしに缶ジュースを差し出した。