「あっ!」
そして、わたしと目が合い、大きな口を開け叫ぶ遅刻したダンサーの子。


なっ、何???
一瞬たじろく、わたし。


「ヘアメイクさーん!頭やってください。あと、メイク道具貸してください」

と、泣きそうな声で近づいてきた。

「はっ、はい・・・」


遅刻したダンサーの子は、椅子に座ると潤んだ目で、鏡越しにわたしを見た。



若い。今まで来たダンサーさんの中でも一番若いような。

ピチピチした肌。ノーメイクなのに、肌がこんなにも綺麗なんて、10代??

そして、柴崎コウを1.5倍したような彫の深さ。綺麗な顔立ちだあ。


そして、
真っ黒で少し毛量の多いストレートな髪。