あまりのうれしさに、呆然としていたら、急にフロアが騒がしくなった。


ミュージカルが終わり、お客さんたちが劇場から出てきたんだ。


ヤバイ。

終わってしまった。

ミーヤになんていいわけしよう・・・。


ミーヤへの罪悪感でいっぱいになる。



けれど、どうしようもなくて、わたしは流れる人に押されるように劇場の外へ出た。



いつの間にか日は落ち、夜の世界になっていた。
あっという間に過ぎた時間は、三時間という時の長さを感じさせなかった。


バッグから携帯を取り出すと、着信メールに気づく。



「おっ、フクちゃんだ」

なんてタイムリーな人だ。
携帯をもって、一人でおののく。