「廃墟の王者がこんな奴だとはね」


「煩いな」


グラスの酒を飲み干すと、紫苑ははぁ、と溜息をついた。


「…お前はどうして、左腕が無いんだ?」


「ん、ちょっと、ね」


「…………」