頭では理解してても、実際にゆずに会うと、苦しくなる。 ねぇ、ゆず。 あなたは本当に、ここにいないの? 「春ちゃん、今日の放課後、会えない?」 「え? あ、うん、会えるよ」 「よかった。少しでも春ちゃんと一緒にいたくてさ」 そう笑うゆず。 それはわたしだから? それとも……お母さんの面影を探して? 「春ちゃん? やっぱり元気ない?」 「ううん。そんなことないよ! 元気元気!」 ムリヤリ笑顔を見せてゆずと別れた。