1階にある化学室からは校舎の前に立ってる木が邪魔して視界がさえぎられてしまう。 でも、岡田はそんなことはお構いなしに外を見ていた。 「先生?」 しばらく外を見ていた岡田を不思議に思って声をかける。 「ああ……」 ハッと気づいたようで岡田が立ち上がった。 ゆっくりと岡田が本棚に向かって、何かを取り出した。 パタン。 あるページを広げてわたしに差し出す。