しばらくしてコーヒーのいい匂いと共にカップがわたしの前に置かれた。 「砂糖と牛乳は好きなだけ使え」 岡田がゴトンと置いて、わたしの前に座った。 「つーか、この砂糖……」 「去年、実験で使っただろ? あ、心配するな、実験用だけど、これは未使用だ」 ……ありえねぇ。 実験で使う砂糖を普通、出すか? しかも、容器を移すならまだしも、本当に実験で使うまんまで出しやがった……。 そんな岡田に反論する気も失せて、渋々砂糖を使う。 いつもより少なめで……。