運動会でリレーの選手に選ばれていたわたし。


1位でバトンを受け取ったのにも関わらず、途中で足がつって上手く走れなくなった。


追い抜かれてアンカーの咲来にバトンを渡せたのは4位。


結局、咲来の俊足でも2位にしか及ばなかった。



辛くて悔しくて……そんなわたしに手を差し伸べてくれたのは咲来だった。



クラスメイトがは戸川が足をつらなきゃ1位だったのに……なんていう中、

咲来は春が足をつってくれたおかげでオレの見せ場ができたんだ! なんて自慢してた。


本当は1位でゴールテープを切るなんて言ってたのに、悔しかったはずなのに、わたしを責めなかった。


責めるところか、よく頑張ったなんて頭を撫でる。



初めて咲来を男として意識した瞬間だったのかもしれない。