「何か……春ちゃんって不思議だね。普通の人間はそんな風に思わないよ」 「……それって、わたしが変ってこと?」 「違うよ。稀にみるいい子ってこと」 稀にって……そう突っ込みたかった。 でも……ゆずが笑ってポンポンとわたしの頭に手を置いたことで、そんな思いも吹き飛ぶ。 この感じ……。 朝もそうだった。 落ち着くというか、温かくなる。 ゆずの手が温かい。 ドキドキしていた鼓動がトクントクンと規則的に脈打つ。