「わたしはそうは思わないよ? 確かに桜の花の命は一週間かもしれない。
でも、芽吹く前から風に吹かれて雨に打たれて雪に覆われて……それでも頑張って生きてる。
そうやって生き抜いたからこそ、こんなにキレイな花を咲かせることができると思うんだ」
わたしの言葉にゆずが笑顔を見せた。
「だからね、人間より立派だと思うの。一週間しか生きられなくても、花びらが散った後でも来年の為にエネルギーをためてるわけでしょ?
それに桜の生命力はすごいと思う。めげずに生きる姿は見習わなきゃね」
これだけいろんな困難に立ち向かったからこそあんなに立派に咲き誇れるんだと思う。
例えそれが一週間でもそれまでの過程は誇れるもの。
散り落ちる姿も風情がある。

