「オレさ、春のことを好きになって分かったことがあるんだ。正直、オレはいい加減な人間だけどさ……
春のことを考えたり思ったりすると、すげー真剣に考えれるっていうか……自分で頑張ってるなーとか思うわけよ」
「うん……」
「夢を叶えようと努力することがオレ自身を強くして成長させてるって感じてるわけ。
頑張ってる自分が好きっていうか?」
「……それって……わたしは咲来の気持ちを受け入れない方がいいってこと?」
夢を持って頑張ってる自分が好きなら……
わたしは咲来の気持ちを受け入れないほうがいいの?
夢が叶ってしまったら咲来は元に戻ってしまうの?
そんな思いが頭をよぎる。
天の邪鬼すぎるかな。
「そうじゃなくてさ……」
大きく咲来がため息をつく。

