わたしと咲来は手を繋いで川沿いを歩く。 ピンクの桜の花びらがゆっくり舞い落ちる。 学校の桜より遅咲きなのか、まだ花びらは残っていた。 でも、もう今日にも散りそうな数。 春の柔らかい風に吹かれて1枚、また1枚と散り落ちる。 わたしと咲来は堤防に座って水の上を気持ちよさそうに流れる花びらを見つめていた。 「でもよかったな。海外研修に行けて……」 「うん……夢に1歩近づいた」 自分のことのように喜んでくれる咲来。