あんなに反対してたのに……。
きっと、お母さんだって相当な葛藤があったはず。
そんな簡単にはゆずのことも乗り越えられてないはずなのに……。
でも……わたしの夢を応援してくれるんだ。
海外研修を許してくれるんだ。
「でもね、わたしも後悔したくないから……春香が思ってることはちゃんと話してちょうだいね。隠し事だけはしないで」
そんな切なお母さんの言葉が体中に染み渡る。
ゆずのことを目の当たりにしてわたしだってお母さんに隠し事なんでできない。
伝えたくても伝えられないことがどんなに苦しいことか……。
わたしはゆずとお母さんを見てよく分かった。

