「あら、春香!」
「お母さん」
キレイな花と水を持ってお父さんの隣に立つ。
「来てたのね……あれ? もしかして、咲来くん?」
わたしの隣にいる咲来を見て目を大きくさせた。
「あ、はい……ご無沙汰してます……」
頭を下げる咲来に笑顔を見せるお母さん。
「まーかっこよくなって! 中学以来よね? あ、お父さん、由紀ちゃんとこの息子の咲来くん」
そうお母さんが紹介すると、お父さんの顔が変わる。
「初めまして。咲来くん? 春香とは……」
「あ、もしかして、付き合ってるとか?」
うれしそうなお母さんの言葉にお父さんが繭を潜めた。

