「……昨日、ゆずに会ったんだ。これで最後って言われて、わたしはお母さんを連れてきた」 「早苗を?」 よほど驚いたのか岡田が声を上げた。 「うん……だって、最後だって言われたら……」 「で?」 「……ゆずはやっぱりお母さんを探してた。ずっと謝りたかったんだって。話したいことを話せなかったって…… 海外留学は本当はお母さんの為で、ずっと一緒にいる為だって……」 言葉を切ると、しいんとする化学室。 岡田は何を考えてるのか、コーヒーカップを見つめていた。