sakura-君と出逢えて-






自分らしく生きること。



きっとこれは何よりも簡単で難しいことなのかもしれない。





「光が射してきたな……」



ゆずの言葉で雲の隙間から太陽の光が差し込む。



優しい春の光とは反対に強い風がスカートを揺らす。


温かい春の風。


思わず手で目を覆ってしまう。



強い風が優しくなる。



ゆず!



振り返るとそこにゆずの姿はなかった。