良かった……出会えてよかった……。
「早苗……」
「な、何? ゆずって……だってゆずは……」
「ずっと早苗を探してたんだ。早苗に会いたくて謝りたくて……」
わたしが聞いたことのないゆずの細い声。
ゆずの本心。
いつも明るく振舞ってたのは辛い気持ちを隠す為だったのかもしれない。
ゆずがお母さんの前に立ってポンと頭に手を置く。
……いつか、わたしにしてくれたときと同じように。
「ずっと早苗に謝りたかった。勝手に海外留学を決めたこと。
あの時、早苗と満足に話すことも出来なくてオレは何も伝えられなくて……本当にごめん」
優しく落ち着いたゆずの声。