「お母さん……」 「な、なん……で……?」 明らかに動揺しているのが分かる。 「お母さん、ゆずが見える?」 わたしはギュッとお母さんの手を握る。 「ゆ、ゆずって……」 視線を変えずにお母さんが言う。 「春ちゃん……」 笑顔でゆっくり近づいてくるゆずにわたしは笑顔を返す。 「ゆず、いてくれてありがとう。わたしのお母さん。ゆず、分かるよね?」 笑顔でうなずくゆずを見て安堵感が広がる。