新学期早々遅刻なんて早々いない。 静かな玄関に滑り込むと声が聞こえてきた。 「また遅刻か?」 「げっ……違いますよ! って、待ってよ、岡っ……先生!」 玄関を通り過ぎようとする岡田を追いかける。 最悪なタイミング。 「待てるか! 遅刻常習犯に甘やかしは必要なし!」 「常習って……そんなこと……」 「昨日もだろ! あれは遅刻だ。新学期早々遅刻するやつが常習以外ない!」 そう言い切る岡田を睨む。 強ち間違っていないから言い返せない。