sakura-君と出逢えて-





改札を出てここから10分。


ちょっと遠回りしようかな……なんて考えてしまう自分がいる。



「何か、懐かしいなぁ」



咲来が目を細める。



「最近、来てねーもんな……」


「だろうね……」


「ん、ここは通過点だからな……小学生の時は自転車でよく来てたけど」



わたしは毎日の通学路だけど、咲来にとっては新鮮な道。


でも……

一人でいるのと咲来といるのとでは全然違う。




今日はわたしにとっても特別な通学路。