ドクン。 あまりにも自然な行動に体が飛び跳ねる。 「由梨ちゃんからメール来たときはマジでびっくりしたよ。あ、由梨ちゃんって言っても、史哉が受け取ったメールだけどな」 そこは誤解ないように! と笑顔になる。 ちょっと気にはなったけど、別に誤解はしないし……。 「何か悩み事でもあるの?」 「え? ……あ、いや……てかさ……」 「何?」 「……手……離して……」 上昇する体温がそこに集中して熱い。 咲来ごときに……いや、咲来ただからこそなのかもしれない。 「……イヤだ」 「は?」