sakura-君と出逢えて-





「そんなことより、今どこ?」


「今? 駅に向かう途中……」


「駅って、中町?」


「そうだけど……」


「オレ、もう電車に乗るんだけど、中町で降りるから、送ってくよ!」


「は? いいって! 一人で帰れるから!」


「ダメダメ! どうせ春が降りる駅の次だし、歩いて帰れるから……」


「いいって! 咲……」


「あ、電車来たから、切るな!」


「ちょっ……」



拒否しようにもわたしの耳に聞こえるのはプープーという機械音。


いくらなんでも強引すぎない?


別に駅から一人で帰れるし……。


わざわざ一つ手前で降りるなんていいのに。