「…るーちゃん、あれ乗ろ!!」



七月某日。俺は、桜と遊園地に来ていた。



「あれ、ジエットコースターって言うんだね?パンフに書いてあった!」


「…ジエットじゃなくてジェットね」




桜は遊園地にあまり来たことがないみたいで、初めて見るであろうものに目を輝かせていた。




なんで、今日遊園地に来てたかっていうと…


桜がパソコンでたまたま見たジズニーランドに憧れたらしい。

───…

『るーちゃんるーちゃん!』

『…ん?』


『桜、ジズニーランド行きたい!これ、乗ってみたい!』



キラキラとする目に勝てなかった俺は、嫌いな人混みに行くことを決めた。


『いいよ』


と返事をして、飲みかけのコーヒーを口に運ぶ。


『…あ、るーちゃん人混み嫌いだよね。どうしよう…貸し切っちゃう?』



ぶっ…!


危うく、吹き出すところだった。



まぁ、桜なら出来なくはないけど…。



『…遊園地は人がいっぱいいるからこそ、賑やかで楽しいんだよ』


『そっか!』



貸し切っちゃうのは却下した。