ナマズ大学には、

不合格者得点通知制度がありました。


わたしは、

第一志望の学部の合格点には、

六点足りず、

第二志望の学部には、

二点足りずに不合格でした。


ちなみに、一問は二点です。




不合格が決まり、

卒業式も終わり、

数日後、

私は、

不合格という結果と、

高校時代のお勉強のお礼を、

ナマズ先生に、申し上げるべく、

ナマズ先生のお宅に、

突撃訪問を、させて頂きました。


わたしは、玄関をあがると、

廊下の奥にある洋間へと通されました。

そこには、ピアノがおいてありました。

わたしは、

ピアノと反対側のソファーに、

少し緊張しつつ、腰掛けました。

ナマズ先生は、

ピアノが置いてある方の側の、

ソファーに、

ゆったりと、腰掛けました。



わたしとナマズ先生は、

綺麗な磁器に注がれた、

コーヒーを、頂きました。



ナマズ先生は、少し残念そうに、

静かに、穏やかに、

たばこをすぅーっと吸い、

ふぅーっとゆっくり煙を吐きながら、

こう言いました。



「まぁ、今年は残念だったね。」

「でも」

「お前の実力で、もう一年間」

「同じペースで普通にやれば」

「日本の私立大学は」

「どこでも受かると思うよ」








そして、

春がやってきました。




わたしは、

都内の予備校に、

通うことにしました。





どすこい。