それからあたしは手をひかれて街を歩いていた まだ、人がいない 冷めた街。 夜になれば、人であふれかえる街も今はまだ しずかすぎて逆に不気味すぎるくらいだ 「名前、なんて言うの?」 ふいにこの男に名前を聞かれた 「人に名前を聞く時は自分から言うのが礼儀でしょ」 冷たく返した…つもりだったけど男はあ、そうか…と照れ笑いをしてから 「僕の名前は稜(りょう)だよ」 と言った。