ってか1組だったんだ、尚。
1組ってことは、国立クラスの中でもトップクラスってことだよね?
「そうだよね、桐谷くんバカなのに頭だけは良いもんね」
なんてサラッと失礼な事を言ってのける真保。
「ちょっ、俺、2人になんかしたっけ?」
尚は二重の目を大きく見開いて、あたしと真保を交互に見比べている。
一方あたしはそんな尚を余所目に、“ていうか、バカなのに頭良いって矛盾してないか?真保…。”なんて全く別のことを考えていた。
「てゆーか、桐谷くんの事はどうでも良くて!」
「ひでーよ、真保ちん」
「早紀ちゃん!さっきの話、本当なの?」
ガックリとうなだれる尚の隣で、あたしはギクリと肩を震わせた。
と思ったら、気付けば尚にまで熱い視線を送られている。