ラブ・ウイルス



翔は、手を前に、

つまり、あたしの方に広げて立ち上がった。


「急にどーしたの?」


つくづく、翔の行動には驚かされる。

だけど、いちいち反応していたらキリがないよ。


そんなことを考えながら、いたって冷静を保つ。


そんなあたしとは対称的に、興奮冷めやまない様子の翔。


なんか、怖いんですけど。


「早紀、それ思いっきり勘違いしてっから!」


「あたしが?何を?」


翔は、「ハァー」と大きくため息を吐いてから。


「言っとくけど、俺。
そんなに女に飢えてないし、超一途だから」


またしても呆れるように、言い放つ翔。


あー、なるほど。


やっと翔の言いたいことがわかったよ。