ラブ・ウイルス



数秒後、やっと離してくれた翔と向かい合わせになった。


さて、何て言おうか。

あたしが、喋ろうとしたのに。
「早紀は、なーんも分かってない」


翔に先を越されてしまった。


しかも、なぜか翔は呆れたような言い方だ。


「わかってるよ?つまり翔は、女の子が近くにいたら誰それ構わずに手をだしちゃうってことでしょ?」


そりゃー、中学生だもん。

一番“そーゆうこと”に興味がある年頃だもんね。


これは誰にも責められない問題だよ。


あたしは、1人勝手に納得していた。


「ちょーっと、待ったぁ!!」

部屋中に、翔の大声が響いた。