ラブ・ウイルス



もしかしたら、あたしのこうゆう所が冷めてるとか、クールだとか言われてる所以かもしれない。


「もしかして、早紀怒ってる?」

ふと、ハンバーグから翔に視線を移すと、眉毛をハの字にまげて心配そうな表情をしていた。

「え?怒ってないよ、全然」


あたしの言い方ってそんなに冷たいのかな?

笑顔を作って答えると、翔は安心したように笑顔になった。


あ、翔の笑顔……。

あたし、どっかで見たことある?


ふと、そんなことを考えたけれど。


「そんなわけないよね」


思わず出てしまった独り言に、翔は不思議そうな顔をしている。

なんでもないよ?
とだけ答えて、添え物のトマトに手をつけた時。

ふと視線を感じたと思ったら、翔が真顔になってこっちを見ているのに気付いた。