だから、こっそり倉田くんの様子を見て楽しんでいるのは秘密なんだ。
「ねぇ、真保？倉田くんのどんなとこが好きなの？」
「……ヒミツ」
だって…と続けたのは、
「それ教えたら、早紀ちゃんまで倉田くんのこと好きになっちゃうもん」
もじもじしながら、そう答える真保の姿はまさに小動物そのもので。
おもわず、小さく笑ってしまった。
「さ、早紀ちゃん？ここ、笑うとこじゃないよっ」
そう必死になって言う真保がまた可愛いくて。
「いいなぁ」
なんて、いつもどこかで思ってた気持ちを素直に声に出していた。
あたしには、真保みたいな可愛さを持っていないし。
純粋さも、女の子らしさも持ってないから、心のどっかで羨ましがっている自分がいて。
そんなところも嫌い。
