帯斗はその後、学校の屋上に居た。



「はい。たぶん。ええ。」



電話の相手は、先ほどの着信音の相手だった。



帯斗はあの
『音のしない着信音』
を黒い連絡と呼んでる。



この着信音からは決まった相手からしか掛かってこないからだ。



性格には相手と言うよりも


『組織』


と言った方が正しいのだが



今、帯斗が話しているこの組織こそ、
帯斗の属している
『PC』と呼ばれる

『ある血筋』と
『ある才能』

を持つ者だけが介入する集団なのである。




電話の相手に向かって帯斗は面倒くさそうに



「はい。わかりました。
近い内に本部に行きます。
会長にも、そう言っておいてください。」



と小声で話すと、携帯を切った。