朝のすがすがしい雰囲気。


 キッチンから香る朝食を作る匂い。


 リビングに行くと、いつもキミの笑顔が見れた。


 ―――でも今は、その面影も残っちゃいない。


 朝から感じることができたあの温もりも


 愛おしいキミの気配も


 すべてがこの部屋から消えた。



 戻りたいと思う。


 楽しかったあの頃に…。


 だけど、戻ることは許されない。


 だって、キミはもう、新しい人生を歩んでいるんだから。


 たまに見かける君の笑顔は、もう僕に向けられることはなくて


 遠目に映る君の幸せそうな笑顔に、俺は苛立ちと後悔を感じるけど


 その一方で


 あの頃と何一つ変わらないその笑顔が心底まぶしくて、愛おしくて。


 消えて欲しくないと思う。


 たとえ俺に向けられたものじゃなくても。


 キミの笑顔はいつでも俺に幸せをくれるのだから…。