晴男という名前どおり小さな時から雨が嫌いなハルは、
ただいつもの様に憂欝なだけなんだろうと思っていました。
幼稚園の時も3日間の雨の間にてるてるぼうずを18個も作ったほどの雨嫌いだったのですから。
5日間降り続き、昼頃にあがったあの日。
憂鬱な顔のハルの、
『でも、覚めない夢もあるんだぜ、香織』
と、言った一言は、いつものぼやきとしか思えませんでした。
そんな会話を交わしたのが2時間目の休み時間。
3時間目はいつもの様にハルは寝てしまっていました。
私は休み時間に職員室へ、
そして始業チャイムと同時に教室へ駆け込むと4時間目を迎えました。
あれだけ降り続いていた雨が嘘のように、
窓から見える空はいつのまにか青空までのぞかせていました。
ハル、喜んでるかな?
そう思い一番後ろのハルの席に目をやると、
…そこにハルの姿はありません。
それどころか机すら無くなっていました。
えっ、なんで?
訳が解らない。さっきまであそこに…。
私は驚き、隣の席のメグに小声で尋ねました。
「ねえメグ、ハルは?」
「えっ?」
「ハル何処行ったの?」
「香織、どうしたの?」
「私じゃなくて、ハル!」
「?」
「だから、ハルがいないの。」
「…だから、ハルってなに?」
「えっ?」
「誰だおしゃべりは。授業中だぞ!」
「ス、スミマセン。」
まったく急な事で訳が解らない私は、
なぜか冷静にならなきゃ、と自分に言い聞かせていました。
終業のチャイムが鳴り止まないうちにハルの席へ行くと、
何もない、
机のあった形跡すらないその場所でなんだかとても恐くなってきました。
そして周りのクラスメートに確かめるようにハルの事を聞いていました。
ただいつもの様に憂欝なだけなんだろうと思っていました。
幼稚園の時も3日間の雨の間にてるてるぼうずを18個も作ったほどの雨嫌いだったのですから。
5日間降り続き、昼頃にあがったあの日。
憂鬱な顔のハルの、
『でも、覚めない夢もあるんだぜ、香織』
と、言った一言は、いつものぼやきとしか思えませんでした。
そんな会話を交わしたのが2時間目の休み時間。
3時間目はいつもの様にハルは寝てしまっていました。
私は休み時間に職員室へ、
そして始業チャイムと同時に教室へ駆け込むと4時間目を迎えました。
あれだけ降り続いていた雨が嘘のように、
窓から見える空はいつのまにか青空までのぞかせていました。
ハル、喜んでるかな?
そう思い一番後ろのハルの席に目をやると、
…そこにハルの姿はありません。
それどころか机すら無くなっていました。
えっ、なんで?
訳が解らない。さっきまであそこに…。
私は驚き、隣の席のメグに小声で尋ねました。
「ねえメグ、ハルは?」
「えっ?」
「ハル何処行ったの?」
「香織、どうしたの?」
「私じゃなくて、ハル!」
「?」
「だから、ハルがいないの。」
「…だから、ハルってなに?」
「えっ?」
「誰だおしゃべりは。授業中だぞ!」
「ス、スミマセン。」
まったく急な事で訳が解らない私は、
なぜか冷静にならなきゃ、と自分に言い聞かせていました。
終業のチャイムが鳴り止まないうちにハルの席へ行くと、
何もない、
机のあった形跡すらないその場所でなんだかとても恐くなってきました。
そして周りのクラスメートに確かめるようにハルの事を聞いていました。