静まり返った張り詰めた空気が教室に流れる。

案の定、担任は俺をにらみつけてくる。

「お前、なんで昨日勝手に帰った!!」

予想通りの怒声。

耳障りな声が響き渡る。

俺は何も言わなかった。

いや言えなかったのかもしれない。

ツバをゴクリと飲む。

何も言わない俺に担任は近づいてくる。

俺は脅えた。

恐怖で身がすくまりそうだったが、何とか格好よく立っていた。

ここで負けたら駄目だ。

少しの間が空く。

しかしすぐに強烈な力で胸倉を掴まれた。

俺の身体が片腕で浮き上がらんばかりだ。

「本当に分かんない奴だな。後で職員室にこい」

さっきの怒声とは違う、迷惑な大きい声ではなく、野太く小さい殺気を込めた声で言われた。

そして胸倉を離される。

担任はいつも通り出席を取り、ホームルームは終わった。