「学校から連絡あったよ」

ドキッとしたが、よく考えれば当たり前だ。

無断で早退したら連絡ぐらいくる。

「何も言わないで早退したんだってね」

気まずい空気が流れる。

「ごめん」

俺はそう言うしかなかった。

「いいんだよ。自殺未遂とかするより全然まし。元気になったね」

母は笑いながらそう言った。

それは俺が想像もつかなかった母の言葉だった。

母のあたたかさが嬉しい。

傷ついた俺の心を癒してくれる。

俺は心の底から感謝した。

「お腹減ったでしょ。何か作ってあげるから」

「うん」

どうやら俺は学校からは脱げ出したが、家からは逃げ出さなくていいらしい。

父はこんなことは気にしないのは分かっているし。

本当に素晴らしい親だなあと俺は思った。