「みんなおめでとう。今日で卒業だな。卒業式、ビシッとやってくれよ」

担任はそう言った。

本来であれば感動して涙を流す所なんだろうが、そんなわけがない。

涙の代わりに出てくるのは憎しみだけだ。

この偽善者が。

職業教師が。

おめでとうなんて思ってないくせに。

そうとしか考えられない。

担任は全員の出席を確認し、職員室に戻っていった。

休み時間を終えれば、卒業式をやる体育館に行く。

その場で俺らがサプライズだ。

幸せの卒業式から、破壊の卒業式にしてやる。

斉藤を見る。

不気味に一人でニヤニヤしている。

その姿は悪魔のようだ。