みんなメニューを見直す。

そんな金がないのだろうか。

「大丈夫なのかよ?」

クボタが言った。

クボタは気を使う男だ。

「まあ、俺は明日の後は考えてねえからな。貯金全部おろしたよ」

斉藤が笑いながら答えた。

「マジかよ」

俺はビックリして、そう言ってしまった。

「まあ、最後ぐれえ、うまいもん食いてえじゃん」

斉藤は俺を見て、真顔でそう言った。

どこまでカッコイイ男なんだ。

俺はそう思った。

そして斉藤の言う通りだ。

先があるなんて思わない。

うまいもん食ってやる。