和だ。



「パン買ってくれた?」

「うん!買ったー」


和はだんだんと私に近づいてきて、



「じゃあ中庭まで持ってってくれるー?俺あとで行くからさあ」


笑顔で頷いて、右手を振った。



「……てことで先輩。私、中庭行くんで」

「あっそ。俺も行く」


歩きかけていた私の足が止まる。


なんでそうなるんだか。



「駄目です」

「あ!そういえば俺も中庭に用があるんだった♪」

「……」

「一緒に行こうか♪」


きっと中庭に用なんかない先輩と一緒に、中庭に向かった。